長い英単語を覚えるのに、単語を分解することが効果的であることはご紹介しましたが、この分解する方法は、漢字を覚えるのにも効果的です。例えば、「蚤」という漢字を覚える時には、
○「又(また)」の間を「、(ピョン)」「、(ピョン)」飛んでいる「虫」が「蚤」
というように分解します。このように漢字を分解してお話を作れば、難しい漢字も記憶できます。
では、「蒟蒻(こんにゃく)」はどう覚えますか?
○草(くさかんむり)むらに「立」って「句」をひねり、草むらにいたら「弱」ったので、蒟蒻を食べた。
このように自分なりに分解してお話を作って下さい。
分解法は、漢字だけでなく文学史の記憶にも役立ちます。例えば、田山花袋とその代表作の「布団」を覚える時は、
○田山花袋は、かたい「布団」で寝ている。
というようなイメージを浮かべます。
分解法は、なんでも使えば良いというものではありません。分解しないでも覚えられるものは、無理して分解する必要はありません。分解したほうがイメージしやすく覚えやすいと思うものには是非使って下さい。
また、漢字だけでなく文章の記憶にも分解法は効果的です。
例えば、次の条文を暗記して下さい。
(目的) この法律は、法の下の平等を保証する日本国憲法の理念にのっとり雇用の分野における男女の均等な機会および待遇の確保を図ると共に、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。(男女雇用機会均等法)
このような文章を記憶するためには、まずは文章を繰り返して読んで全体のイメージをつくります。そして次に、文章を整理します。
<整理の例>
①私たちは法の下では平等である
②働く上でも男女の関係なく機会と待遇は平等に得られる
③女性は妊娠中や出産後の健康は確保されなければならない
このように骨子を整理して覚えます。
次に文章のキーワードを順番に探して並べてみましょう。
<キーワード例>
「法律」→「平等」→「保証」→「憲法」→「理念」→「雇用」→「男女」→「均等」→「機会」→「待遇」→「確保」→「女性労働者」→「就業」→「妊娠」→「出産」→「健康」→「確保」→「措置」→「推進」→「目的」
このキーワードを見ながら自分で文章を作って下さい。自然とイメージがつながっていくはずです。まずは慣れることから始めてみましょう。